アメリカのClarus Camera社が、1946～52年頃生産したClarus MS-35です。レンズは、米国の有名なWollensak社（ライツNY社が、ライカの純正交換レンズとして採用したこともある会社）のVelostigmat 2インチ（50mm） F2.8が付いています。フォーカルプレーン式シャッターを搭載、レンズ交換可能で、連動距離計内蔵ですから、当時としては高級志向ですね。レンズマウントは独自で、内径41mmのねじ込み式です。
正面はモダンなデザインですが、厚さが約43mmと分厚いです。これはフランジバックが38mmと、ライカＬ型の28.8mmを大きく上回るので、仕方ないのでしょう。本体は鉄のダイキャストで712gもあり、頑丈、重厚です。鉄製というものの、70年を経ても全く錆が見られないので、何かの鉄合金でしょう。アルミダイキャストというサイトもありましたが、どうみてもアルミじゃありませんね。こんなに大きくて重くて使いにくかったのでは、と思いますが、頑丈なおかげで今でも当時の姿をそのまま見ることができます。
出品概要・外観：綺麗と言って良いでしょう。軍艦部、他に細かなキズや小アタリはあるが、目立つキズ、ヘコミ、錆び、腐食無し。外側の貼皮も綺麗で、浮き等無し。（写真ご参照）・レンズ：クリヤーです。微細なチリの混入がわずかにあり。色が付いているので、コートティングされています。・ファインダー：画角と距離計とは別々のファインダー。画角の方は、ゴミ、チリなどなくクリヤーで綺麗。距離計は上下分割式で、上下ともゴミ、チリ等ないが、下の方はわずか曇りあり。距離合わせは作動するが、∞で見るとわずかに像のズレあり。・絞り：順調に作動。・距離ヘリコイド：均一トルクで作動するが、難あり（下記）。・シャッター：B,1/25～1/1000秒。各速度違った速度で切れていて、私の経験上それぞれそれなりの速度で切れている感じ（このカメラ、シャッターに難ありと言われているので、出品は相当良い＜難点＞距離の表示リングが空回りします。リングが空回りしても、鏡胴先端を持って、∞から3.5ftまでレンズをスムースに回すことができます。連動距離計が働き、距離も合っているので、このままでも使えますが、修理したら使いやすいでしょう。（本来はこのリングで距離ヘリコイドを回すのだと思います。）
＜便利な点＞レンズ前部が取り外せます。クリーニングが簡単です。
こんなにスマートで重厚なカメラも珍しく、コレクション/展示に最適です。また、一般に当時の米国製のカメラは評判が良くなく、このClarusもジャンクが多くて、綺麗で、まともに作動するのは少ないのでは無いでしょうか。出品は、距離リングに難がありますが、綺麗な外観とレンズ、順調なメカと貴重なカメラです。お手元にいかがですか。
付属品はありません。
美品と言っても、70年物クラシックカメラとしては「美品」の意です。新品同様の完美品をお捜しの方にはお薦めしません。