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絶版希少図録本 大日蓮展 立教開宗750年記念大規模展覧会の公式図録本 161点フルカラー写真解説 Nichiren Art and Belief
東京国立博物館 2003年 284ページ 約30x21.5x2.5cm 作品写真図版フルカラー
※絶版
日蓮諸宗の寺院に伝わる聖人ゆかりの品々、法華信仰にまつわる美術品、さらには、宗門に帰依した多くの芸術家たちの作品を取り上げ、一堂に展観した大規模展覧会の公式図録本。 これまで一般の目に触れることなかった門外不出の秘宝も含め、国宝・重要文化財・重要美術品はじめ、160件余の仏教美術品を集めた大規模な展観は過去に例がないという程のもの。 写真図版はフルカラー、解説、論考テキストも内容充実の、大変貴重な資料本です。
【ごあいさつ】より 日蓮聖人は、まことに不撓不屈の生涯を送られた方でした。貞応元年(1222)、安房国に生を享けた聖人は、比叡山などで修行を積み、建長五年(1253)、故郷に帰って法華信仰の弘通(布教)を始めます。その布教の形が、他宗派を強く批判するものであったため、一門は鎌倉幕府などから激しい弾圧を受けますが、ついに屈することはありませんでした。弘安五年(1282)、聖人は、現在の池上本門寺の地で61歳の生涯を終えますが、その信仰は高弟たちによって全国に広められ、今日の隆盛をみるに至ります。 今回の展覧会は、その日蓮聖人の立教開宗750年を記念して、日蓮諸宗の寺院に伝わる聖人ゆかりの品々、法華信仰にまつわる美術品、さらには、宗門に帰依した多くの芸術家たちの作品を取り上げ、一堂に展示しようとするものです。このように、門外不出の秘宝も含め、160件余の美術品を集めた大規模な展観は過去に例がなく、わが国の美術、文化の歴史を辿る上で、大いに意義のある催しといえましょう。主催者一同、この機会に是非、多くの方々のご来観を仰ぎたいと念ずる次第です。
【目次】より Contents 日蓮の心くばり 立松和平 日蓮とその伝統 中尾尭 日蓮教団と絵画 宮島新一 図版 第一章 日蓮聖人とその門弟 第二章 法華経の美術 第三章 外護者と信者 第四章 法華文化の精粋 日蓮諸宗本尊画紙論~題目本尊から絵曼荼羅へ~ 行徳真一郎 日蓮信者と絵画 田沢裕賀 日蓮諸宗の書跡 安達直哉 日蓮諸宗の彫刻 浅見龍介 法華信仰と町衆の美術~日蓮諸宗の工芸~小松大秀 作品解説 略年譜 出品目録 List of Works Nichiren and his DisciplesArts of th Lotus SutraPatrons and FollowersThe Spirit of Lotus Culture
【各章見出しより】 第一章 日蓮聖人とその門弟 建長五年四月二十八日、日蓮は誕生の地にある清澄寺で、「南無妙法蓮華経」と題目を唱えた。「法華経」に帰依するという宣言である。文応元年鎌倉幕府に「立正安国論」を上呈し、純粋な法華経信仰への回帰を求め たが受け入れられなかった。日蓮は常々「法華経」を重んじない他宗を批判したため、弾圧や妨害にあった。しかしそれに屈することなく、着実に弟子や信者を増やしていった。文永十年配流の地、佐渡で書かれた「観心本尊抄」は日蓮の思想のすべてが注がれた重要な著作である。「日蓮聖人註画讃」に描かれたように、波乱に満ちた生涯を送った日蓮の肖像はいずれも骨太で、よくその強靭な人柄を伝えている。 日蓮の高弟である日昭、日朗、日興、日向、日頂、日持の六人は、現在の山梨、静岡、神奈川、千葉、東京を拠点に布教し、それぞれ教団を築いた。その後日朗の門下である日像は京都に進出し、足利将軍家の後ろ盾を得て西国に勢力を拡大した。 ここでは日蓮と弟子たちの像や著作などをご覧いただく。
第二章 法華経の美術 日蓮は礼拝すべき本尊を、文字による題目本尊として顕した。みずからが感得した法華経の無限の救済世界は、いかなる色や形をもってしても表現しえなかったのである。一方、日蓮亡き後の弟子たちは、各地で布教という新課題に直面する中で、宗祖がモノクローム(単色)で開示した救済世界を、ポリクローム(多彩色)の造形世界へと展開させていく。文字本尊を、絵画的に表現した絵曼荼羅や宝塔絵曼荼羅、立体的に表現した一尊四士像や一塔両尊像は、そのもっとも独創的な成果である。そこでは、法華経の真理を証する宝塔、大地より涌出して弘経を担う四菩薩、十羅刹女・鬼子母神といった守護 の神などが、日蓮の法華信仰を現前させている。さらに紺紙金字の法華経や宝塔曼荼羅、法華経の説話世界を描く法華経曼荼羅など、伝統の法華経美術も加わって、清新で独白な造形世界が構築されている。これらを概観するとき、ことに南北朝時代に一つの画期が認められるのは、教団第二・第三世代の意気込みを示すものといえようか。
第三章 外護者と信者 日蓮の門流は、熱心な信者の外護を得て発展してきた。室町時代には、経済力豊かな町衆の絶大なる支持を背景に法華宗二十一ヶ本山が広大な寺域を競い合い、京都の街は「題目の巷」と称されるほどになっていた。天文五年(一五三六)延暦寺衆徒との間に起きた「天文法華の乱」により打撃を受けるが、熱烈な信仰を背景に復興がなされ、門流発展の基礎が作られていった。桃山時代から江戸時代にも、熱心な法華信者として知られる加藤清正や、徳川家康の側室お万の方など、有力大名やその夫人たちの外護を受け各門流が発展していった。 妙覚寺の檀越であった画家の狩野家や金工の後藤家、本法寺の檀越本阿弥家や同寺に大涅槃図を寄進した長谷川等伯など、芸術家の中には法華信者が多く、その信仰生活を背景として生み出された作品も少なくない。 ここでは、熱心な信者の肖像画やその奉納品、多士済々の作家たちによる優品を展示し、門流を支えた人々の心の一端に触れていただきたい。
第四章 法華文化の精粋 日蓮の布教活助は、武家政権中枢の地である鎌倉を中心に進められた。しかし、生まれ故郷の安房小湊(千葉県)に始まり、鎌倉幕府によって流された伊豆や佐渡、さらに、晩年を過ごした身延から、臨終の地である武蔵国池上の地まで、彼の足跡は、東日本の広い範囲に及んでいる。また、「帝都開教」、すなわち、帝のおわす日本の中心地での布教は、日蓮門下諸宗の悲願とするところだった。日蓮の没後、孫弟子にあたる日像を始め、日静、日什、日陣、日親など、宗門の精鋭が次々に上洛して布教に努める。その結果、室町時代後期の京都中心部は、まさに法華の牙城と化した感がある。 日題、あるいはその弟子たちにゆかりの寺院は、全国に数多く存在するが、このコーナーでは、それら寺々に伝わる貴重な文化財を一堂に展観する。胡直夫筆と伝えられる「夏景山水図」(山梨・久遠寺)など、中国絵画の優品の数々、また、俵屋宗達筆の「牛図」(京都・頂妙寺)に代表される多彩な近世絵画など、これまで一般の眼に触れることの少なかった名品を、この機会に存分に楽しんでいただきたい。
【出品目録 より一部紹介】 作品名称 作者・賛者等 員数 材質技法 時代 年代世紀 所蔵者 国宝・重要文化財・重要美術品等の指定掲載
日蓮聖人坐像 一躯 木造、彩色、玉眼 鎌倉 十三~四世紀 神奈川・妙本寺 日蓮聖人坐像 一躯 木造、彩色、玉眼 鎌倉 十三-十四世紀 京都・本満寺 日蓮聖人像(水鏡御影) 一幅 絹本着色 鎌倉 十一二世紀 千葉・浄光院 日蓮聖人像 一幅 絹本着色 鎌倉 十四世紀 静岡・妙法華寺 日蓮聖人像(波木井御影) 一面 紙本着色 室町 十六世紀 山梨・久遠寺 日蓮聖人像 一幅 絹本着色 室町 十六世紀 神奈川・浄永寺 日蓮聖人像 狩野元俊筆 一幅 紙本着色 桃山 十七世紀 山梨・本遠寺 硯 伝日蓮所用 一面 石製 鎌倉 十三世紀 千葉・清澄寺 念珠 伝日蓮所用 一連 木製 鎌倉 十三世紀 千葉・法華経寺 日蓮聖人註画讃 窪田藤右兵衛尉統泰筆 三巻(五巻のうち) 紙本着色 室町 天文五年(一五三六) 京都・本圀寺 日蓮聖人註画讃 左京兆筆 五帖 紙本着色 桃山 十六-十七世紀 千葉・鏡忍寺 佐渡奇瑞之図 一幅 紙本墨画 室町 十六世紀 山梨・久遠寺 日蓮聖人龍口法難図 狩野探幽筆 一幅 絹本着色 江戸 寛文十三年(一六七三) 京都・本法寺 天台肝要文集 日蓮筆 一冊 紙本墨書 鎌倉 十三世紀 千葉・法華経寺 五輪九字明秘密義釈 日蓮筆 一冊 紙本墨書 鎌倉 建長三年(一二五一) 千葉・法華経寺 秘蔵宝鏑 弁昭筆、日蓮加筆 二冊 紙本墨書 鎌倉 仁治二年(一二四一) 静岡・受法寺 愛染不動感見記 日蓮筆 二幅 紙本墨書 鎌倉 建長六年(一二五四) 千葉・妙本寺 貞観政要巻第一 日蓮筆 一巻(二巻のうち) 紙本墨書 鎌倉 十三世紀 静岡・本門寺(重須) 立正安国論 日蓮筆 一巻 紙本墨書 鎌倉 文永六年(一二六九) 千葉・法華経寺 観心本尊抄 日蓮筆 一帖 紙本墨書 鎌倉 文永十年(一ニ七三) 干葉・法華経寺 春日山蒔絵箱 一合 木製漆塗 江戸 正保一二年(一六四六) 千葉・法華経寺 蓮唐草鳳凰蒔絵三重箱 一合 木製漆塗 江戸 正保三年(一六四六) 千葉・法華経寺 (以下、作品名等以外省略) 一尊四士像 五躯 木造、金泥塗り・銭金、玉眼 鎌倉 一塔両尊像 一具 木造、漆箔、玉眼 南北朝 四士像 四躯 木造、漆箔、玉眼 南北朝 釈迦および多宝如来坐像(一塔両尊像のうち) 二躯 木造、漆箔、玉眼 釈迦および多宝如来坐像(一塔両尊像のうち)定慶作 二躯 木造、金泥塗り・彩色・截金、玉眼 南北朝 十界勧請大曼荼羅(絵曼荼羅) 一幅 絹本着色 鎌倉 宝塔絵曼荼羅 一幅 絹本着色 鎌倉 宝塔絵曼荼羅 一幅 絹本着色 南北朝 絵曼荼羅 大覚花押 一幅 絹本着色 南北朝 絵曼荼羅 朗源花押 一幅 絹本着色 南北朝 十羅刹女像 一幅 絹本着色 南北朝 三十番神像 日親賛 一幅 絹本着色 室町 金剛力士立像 二躯 木造、彩色、玉眼 鎌倉 妙見菩薩倚像 一躯 木造、彩色・銭金、玉眼 鎌倉 九名神立像 一躯 木造、彩色、玉眼 南北朝 紫紙金字法華経 一巻(十巻のうち) 紫紙金字 平安 一字宝塔法華経 一巻(九巻のうち) 紺紙金字 平安 法華経宝塔曼荼羅図 四幅(八幅のうち) 紺紙金銀泥 鎌倉 法華経 一帖(七帖のうち) 紺紙金字 元 法華経 二帖(七帖のうち) 紺紙銀字 元 法華経曼荼羅図 六幅(二十一幅のうち) 絹本着色 鎌倉 観音経絵 二幅 絹本着色 鎌倉 法華経曼荼羅図 二幅(四幅のうち) 絹本着色 鎌倉 仏涅槃図 命尊筆 一幅 絹本着色 鎌倉 釈迦八相図 三幅 絹本着色 鎌倉 法華経 伏見天皇筆 一巻(八巻のうち) 紙本墨書 細字法華経 日野資朝筆 一巻 紙本嬰書 法華経要文和歌懐紙 光厳天皇他筆 一巻 紙本墨書 三十番神像 長谷川等伯筆 一幅 絹本着色 釈迦多宝如来像 長谷川等伯筆 一幅 紙本着色 七字題目 一幅 絹本金字 日蓮聖人像 長谷川等伯筆 一幅 紙本着色 鬼子母神十羅刹女像、 長谷川等伯筆 一幅 紙本着色 仏涅槃図 長谷川等伯筆 一幅 絹本着色 鬼子母神十羅刹女像 長谷川等伯筆 一幅 絹本着色 書状 後小松天皇筆 二幅 紙本墨書 遺言状 斎藤道三筆 一幅 紙本墨書 織田信長屏風礼状 一幅 紙本墨書 織田信孝書状 一幅 紙本墨書 大過去帳 二冊(三冊のうち) 紙本墨書 宝塔絵曼荼羅 一幅 絹本着色 渡辺浄慶妙慶夫妻像 一幅 絹本着色 加藤清正像 中川寿林筆 一幅 絹本着色 加藤清忠夫人像 一幅 絹本着色 桔梗折墨紋散蒔絵調度 一具 木製漆塗 桔梗折墨紋散蒔絵調度 一具 木製漆塗 後藤祐乗像 一幅 絹本着色 後藤徳乗夫人像 一幅 絹本着色 獅子牡丹造腰刀 金具 後藤祐乗作 一口 倶利伽羅三所物 後藤祐乗作 一組 獅子香炉三所物 後藤徳乗作 一組 蓮池蒔絵舎利厨子 五十嵐道甫・後藤程乗作 一基 木製漆塗 刀 銘 村正 妙法蓮華経 永正十天癸酉十月十三日 一口 題目文字模様紙衣陣羽織 一領 渋紙製・墨書 仏涅槃図 長谷川等伯筆 一幅 紙本着色 日通上人像 長谷川等伯筆 一幅 絹本着色 書状 日通筆 一幅 紙本墨書 等伯画説 日通筆 一冊 紙本墨書 篠原一孝夫人像 一幅 紙本着色 紺紙金字法華経 八巻 紺紙金字 お万の方像 一幅 絹本着色 釈迦涅槃図繍仏 戸塚七兵衛作 一幅 絹本・絹糸 水戸光圀坐像 一躯 陶製 川上不白坐像 一躯 木造、漆塗り、玉眼 仮名題目 自昌院筆 一巻 紙本墨書 細字法華経 自昌院筆 一巻 紙本墨書 舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦作 一合 木製漆塗 花唐草螺鈿経箱 本阿弥光悦作 一合 木製漆塗 黒楽茶碗 銘 雨雲 本阿弥光悦作 一口 立正安国論 本阿弥光悦筆 一巻 紙本墨書 鹿下絵新古今和歌集和歌巻 本阿弥光悦筆 一巻 彩箋墨書 花卉摺絵新古今和歌集和歌巻 本阿弥光悦筆 一巻 彩箋墨書 蓮下絵和歌巻断簡 本阿弥光悦筆 一幅 彩箋墨書 摺絵漁父辞 本阿弥光悦犖 一巻 彩箋墨書 刀絵図 本阿弥光徳筆 一巻 紙本墨画 刀 金象嵌銘江磨上光徳(花押)(名物北野江) 一口 刀 金象嵌銘 尻懸則長磨上之 本阿(花押) 一口 本阿弥家折紙 本阿弥光温・光忠・光勇筆 三枚 色絵紫陽花図透彫反鉢 乾山 一口 色絵紅葉図透彫反鉢 乾山 一口 色絵藤原定家詠十二ヶ月和歌角皿 乾山 十二枚 銹絵観鴎図角皿 尾形光琳・深省合作 一枚 夏景山水図 伝胡直夫筆 一幅 絹本着色 十六羅漢図 趙橘筆 八曲一双 絹本着色 鶏頭花図 伝銭選筆 一幅 紙本着色 貝尽くし図 伝趙昌筆 一幅 絹本着色 花伝轡 日甫画 一巻(二巻のうち) 紙本着色 牛図 俵屋宗達筆 烏丸光広賛 二幅 紙本墨画 十六羅漢図 狩野元信筆 四幅 紙本墨画 釈迦三尊像 三幅 紙本着色 松桜図襖 四面(四枚) 紙本金地着色 洛中洛外図屏風 六曲一双 紙本金地着色 洛中洛外図屏風 六曲一双 紙本着色 釈迦如来像 英一蝶筆 一幅 絹本着色 七面大明神応現図 葛飾北斎筆 一面 紙本着色 老翁奇瑞図絵馬 魚屋北溪筆 一面 板金地着色 三人歌舞図絵馬 二代鳥居清満筆 一面 板絵着色 大般若経巻第二百四十六 一帖 紙本墨書 礼記正義 二冊 版本(宋版) 本朝文粋 一巻(十三巻のうち) 紙本墨書 宝物集巻第一 日春筆 一巻 紙本墨書 安南国書 二幅 紙本墨書 日本紀竟宴和歌 二巻 紙本墨書 梵鐘 一口 銅鋳製 洲浜梅樹双雉鏡 一面 銅鋳製 銅孔雀文磬 一面 銅鋳製 銅孔雀文磬 一面 銅鋳製 銅鰐口 一口 銅鋳製 金銅蓮華唐草透彫華籠 三枚(十二枚のうち) 銅板透彫鍍金 葵梅鉢紋散蒔絵経箱 一合 木製漆塗 黒漆葡萄栗鼠文沈金食籠 一合 木製漆塗 牡丹唐草螺鈿経箱 一合 木製漆塗 五彩龍鳳花卉文大瓶 景徳鎮窯 一対
★状態★ 2005年の古い本です。 外観は通常保管によるスレ程度、天小口経年並ヤケ、扉の余白部などに経年しみがありますが、 カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、 問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)
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